月夜の翡翠と貴方【番外集】
私は重たい足をベッドから引きずると、部屋の扉へと向かう。
…ああ、嫌だ。
きっと、今からの朝食では……
*
「…なにか、あったのかな?」
レンウは苦笑いを浮かべて、向かいの席に座る私とルトを、交互に見た。
「………」
当然、私とルトはなにも言わない。
ルトはなにも聞こえていないようなフリをして、食事を進める。
部屋を出て、食事の席についてから。
…私とルトは、一切の会話を交わしていない。
ルトがこちらを見ないので、私も見ようとは思わない。
案の定、思っていた通り、といったところだが、これではレンウまで巻き込む形になる。