月夜の翡翠と貴方【番外集】
ひとつめに、触れるだけのキス。
ふたつめに、少し長くて愛しいキス。
みっつめに、熱を帯びた激しいキス。
「…は……ルト………」
惚けた瞳で見つめると、深緑は益々怪しく光った。
「好きだよ」
柔らかい声が、頭のなかをなぞる。
優しい瞳が、段々と獣の瞳に変わってゆく。
その手が、私の服に手をかけるまで、そう時間はかからなかった。
彼は容易く、私に『生きる道』をくれる。
貴方の、奴隷として。
そして、貴方の相棒として。
きっとその道は、簡単なものではないのだろうけれど。
ふたりで、生きていくから。
…どうか、いつまでも。
貴方の隣で、笑っていられるよう。