月夜の翡翠と貴方【番外集】


「…ん?」

しかしジェイドは、すぐに顔を下に向けた。

「…なんでもない…」


…とんでもないお願いをしてきたと思えば、今日はいつにも増して無口だ。


今更恥ずかしくなったのか。

俺は目を細めて、彼女の綺麗な髪を撫でる。

この碧色はいつ見ても、とても美しい。


頭を撫でられているジェイドは、ぼうっとした目をしている。


「…眠くなった?」

「…落ちつく」


答えになってないよ、と笑おうとしたら、ジェイドの腕がもぞもぞと俺の背中に回ってきた。

…少し、遠慮するような手つき。


俺は笑って、頬にキスを落とす。


驚いたように目を見開くジェイドの顔を覗き込んで、「なに」と笑んだ。


「誘ってる?」


その言葉を口にした瞬間、ジェイドの顔が真っ赤に染まった。

…おお、すごい。


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