月夜の翡翠と貴方【番外集】
「えっ………?」
「行く?もっかい、ラサバさんとこ」
その瞳はどうやら冗談ではないようで、私の返事を待っていた。
「…い、行けるの…?」
「んー、ちょっと時間はかかるかもしれないけど。会いたいんだろ?」
俺もだから、と笑う。
…嘘。
また、会える……?
「…い、行きたい」
素直にそう言うと、ルトは「決まりだな」と楽しそうに言った。
「せっかくだし、全部行こうか。ミューザと、ディアフィーネも」
…また、たくさんのひとたちに会えるのだ。
もう、二度と会うことはないだろうと思いながら、別れを告げた人々に。
「…うん」
お互いの手を、握りしめる。