月夜の翡翠と貴方【番外集】
2 太陽は枯れない

髪、相手、少女のプロローグ




いつだって、蔑んだ目で見られていた。



子供だからと、何も聞こえないとでも思っていたのだろうか。

無表情だからと、何も感じていないと思っていたのだろうか。

そんなはずは、ないのに。


いつからか、

瞳は暗い世界ばかり映すようになった。

表情は氷のように動かなくなった。


『捨てられた奴隷の子供』という烙印は、

いつまでたっても消える気がしない。


けれどあのとき、貴方に出会ったから。

捨てられた私を、拾ってくれたから。

切なくて苦しそうな目で、私を抱き上げたね。

もう何年も前だけど、私は覚えているよ。



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