The unripe heart
「・・・絹江さんがね・・・。」
私と拓也はここに来た経緯を
橋本さんの孫に説明した。
「うちは原田千夏。」
「俺は石坂拓也。よろしくな。」
軽く自己紹介をする。
「宇治原和希。」
彼は名だけ言うと頭を下げた。
下げたまま言った。
「悪いけど、帰ってもらえる?
絹江さんに言われたみたいだけど、
俺は忙しいんだ。ごめん。」
彼はそういうと頭をあげ、
家の中へと入っていった。