ヤンキー先輩!





私はゆっくりと顔を上げた。




『ひぃっ!』



さっきの彼は私の後ろで情けない声を出している。






「あ・・・。」




そして私は目を見開く。





目の前のその男は、
昨日のおかしな男だったのだ。







「え、高校生だったの?」



『あ?お前誰だ?』






げ。覚えてない。





「私、昨日のファミレスの店員です。あなた昨日ファミレス来ましたよね?カルボナーラ食べましたよね?私に名前聞いて来ましたよね?しつこかったですよね?」





とりあえず私は機嫌が悪かったので思ったことをひと通り言い終えた。






『ぶっ!ククク』



と、どこからともなく笑を堪える声が聞こえてきた。




『失礼。雄星にしつこいとか言ってる人、初めて見たから。プッ!ククク・・・』




雄星と呼ばれた昨日の男の後ろから出てきたのは、オレンジの頭をした少しヤンキーちっくなモデルみたいな出で立ちの男だった。背も普通くらいのユウセイに比べて、その人はやけにデカくてあしながで、顔も驚くほど整っていた。



そんな彼はまた引き続きクスクス笑う。





『ていうか君、まさか雄星のこと知らないとか?』


「知らない。」







『う、嘘だろ?!』


今の今まで怯えて黙っていた後ろの男がなぜかしゃしゃり出て来た。




『押谷先輩のこと、ほんとに知らないの?!』





押谷先輩・・・?






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