ヤンキー先輩!
そう言えば私、モナカとハンズに立て続けに押谷先輩とやらの話をされて、なぜか変人扱いされて、気分を悪くしてここに来たんだ。
その押谷先輩が、なんだって?
『だから、押谷雄星先輩!聞いたこともないの?!』
「あー・・・。今朝初めて聞いた。なに?このカルボが押谷先輩なの?」
『カルボって・・・』
彼は顔を真っ青にして私を見る。
何?この人が押谷先輩だったらなんな訳?
『ぶっあっはは!!!カルボ!!!カルボ!!!!!!』
クスクス野郎は今度は爆笑さん。
『し、知らないからな!俺、知らないからな!!!!』
そう言って階段を駆け上がっていった後ろの男。
あ、こいつどさくさに紛れて逃げたな。
『おいお前、あいつのこと逃がしたな』
「知らない。勝手に逃げたんでしょ。」
このカルボこと押谷先輩は私を見下ろして昨日のように睨む。
『まぁまぁ雄星。焼きそばパンくらいハチか誰かにコンビニで買って来させたらいいじゃん。機嫌が悪いからってそんくらいで追い回したら可哀想だから。』
『チッ』
爆笑さんが宥めてカルボはようやく踵を返す。
どうやらこのカルボ男、購買の焼きそばパン競争であの弱虫男に負けたらしい。
・・と思ってぼーっと立っていたららカルボは振り返ってこう言った。
『おい、俺の名前は分かったろ。お前は。』
あ、なんだ。昨日のこと覚えてんじゃん。
「2年2組 佐々木歩。」
『アユちんだね!』
間髪入れずにそう言うのは爆笑さん。
つーかお前が1番何者!
私が名乗ると満足したのかそのまま背を向けて歩き出すカルボ。
『因みに俺は3年4組 青木太一!アユちん、また会おうね!』
そう言って手を振ってカルボ先輩に着いて行く爆笑さん。
・・・・で、結局なんだったんだ。