ヤンキー先輩!
『ま、アユちん入りなよ。一緒にドーナツ食べよ!』
「は、はぁ・・・。」
一体なんで私は呼ばれたのか。
ただ謎のまま言われる通り図書室へと踏み込んだ。
『・・・・太一、なんだそいつ。』
正面には何故か革のソファー。
そこに横柄に足を組んで座る輩が1人。
まぁ、こんなに偉そうにするのなんてカルボ先輩しかいないんだけどね!
『アユちんは俺の友達だからこれからここに連れてくることにした!』
再びニコッと笑ってカルボ先輩に言う青木太一。
『あ?ここは俺の場所だ。女はいらねぇ。』
そいつはそう言って私を睨んだ。
こわいから。やめて、こわいから。
『まぁそう言うなって!さっ、アユちん座ってドーナツ食おうぜ!』
「はぁ・・・」
え、なんか居ていい雰囲気じゃないんですけど。なんで連れて来られてさらにこんな肩身の狭い思いしなきゃならないんですか?
神様、教えてください。
『おい歩だったか。お前、もしかして大富豪強ぇか?』
・・・・・・・・はい?
『おいブス!雄星さんが大富豪強ぇかって聞いてんだろ!さっさと答えろ!!!』
奴からの急な質問に私が戸惑っていると、ブンブンがすごい勢いで加勢してきた。無駄。あー、無駄。
「大富豪って、トランプ?」
『ちょっと待て、確認する。大富豪ってトランプっすかぁぁあああ!雄星さんんんんん!!!!!』
『アホが。大富豪っつったらトランプだろ。トランプしかねぇだろ。ぁあ?』
『そっすよね!俺もそう思いました!バカっすよね!あのブス!猿!』
・・・・・・いっぺん殺してやろうか。このハチ。殺虫剤ブチ撒くぞ。