ヤンキー先輩!
体育館倉庫の中でマットにだらしなく座り込むその人物。
その人がゆっくりと顔を上げた。
「へ?」
私は間抜けな声が出た。
『あぁ。なんだ、あんたか。』
いやいやいやいやいやいや!
あんたかって!
あんたか、って!!!!
『どうしたの?まさかここのことも知らなかったから来たとか?そういう情報、ちゃんと知っといた方がいいんじゃない?』
そう言って彼は立ち上がる。
カルボよりも高い位置から見下ろすその顔は、いつも見るあの顔とは全くの別人で。
オマケに口調も全く違って、
理解するのに少し時間がかかった。
「青木太一・・・」
彼だったのだ。