ヤンキー先輩!
聞き慣れた声で聞き慣れた呼び方が爽やかくんの向こう側から聞こえた。
「あ。青木太一。」
私がそう言うと、爽やかくんは勢いよく振り返った。
『あれー?醇風高校の門岡くんじゃなーい?うちの子になんか用?』
醇風高校といえば、県内随一の進学校。
なんでそんなエリートくんが青木太一と知り合いなわけ?
「青木太一ってそんなツテもあったんだ・・・」
私が思わず呟くと、さわやかくんは私をみてハテナを浮かべた。
『プッククッ。門岡、そういうことお前には無理だって。俺らちゃんとお前のこと見張ってたし、そこに雄星もいるし、やめとけ。な?』
と、そう言って青木太一が指差した先にはカルボが壁にもたれて立っていた。
『お、お前ら・・・』
さわやかくんはどんどん顔色が悪くなっていく。
「ちょっと、さわやかくん大丈夫?青木太一なんかに負けんなって、な?」
と励ましてみたけど、彼は何故かこちらを見ると
『な、なんなんだよ!』
と言いながら走り去っていってしまった。
なんでも食べていいって言ったのに。
「青木太一のバーカ!」
私は食べ損ねたて気分を害したのでそう言い捨てるとそのまま帰路についた。