ヤンキー先輩!






どうやら壁にぶつかる音がしたのは、青木太一が壁を殴ったからみたいだった。




なんだか恐ろしくなって顔を引きつらせていると、青木太一は後ろ手で扉を閉めた。







しんと静まり返る体育館倉庫。





青木太一は下を向いてつっ立っていて一切口を開かない。





そんな硬直状態が三分程続いた時、私は耐え切れず口を開いた。






「青木太一、どうしたの?」





すると青木太一はもう一度ドンッと扉を殴って音をたてた後、こう言った。





『・・・っるせぇんだよ、役立たずが。』






私は訳が分からず彼を見た。





『さっさと雄星落とせよ。何のために俺がお前を図書室に連れ込んだと思ってんだよ。なにグズグズしてんだよ。使えねー奴だな。』





は?










< 53 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop