ヤンキー先輩!
ぬぉわー
『ねぇアユ、押谷先輩と付き合ってんの?』
朝。
今日も花音と一緒に家を出て、電車に乗って学校に来た。
そんないつも通りの朝に、いきなりハンズのどアップ。
朝からそのケバさ、いただけない。
「ちょ、離れろ。なんなのいきなり。」
『巷では今その話題で持ちきりよ!』
「げぇー。めんどくさー。」
なんでそうなるの?
ほんと、日本人ってすぐそんな事言うよね。
『ま、て言ってもほとんどの女子が「あのアユだよ?そんな訳ないじゃん」って笑ってるけどね。』
ちょっと。
それはそれで失礼だろ。私に。
『あんた人気者で良かったね。で?』
「で?」
と言いますと?
『実際のところどうなの?付き合ってんの?ほぼ毎日一緒に帰ってるみたいだけど。』
あ、やっぱ見られてるもんなのね。
「付き合ってないよ。あんなのあたしの手には負えない。」
『青木先輩は手に負えてるのに?』
押谷先輩の方が楽そうだよ
とハンズは言う。
「手に負えてないって。青木太一なんなのあいつマジ殴りたい。」