ヤンキー先輩!
『ねぇ太一、東中の押谷くんって知ってる?』
「押谷ぃ?知らねぇなぁ。」
『えー!押谷くん有名なのに?!顔のキレイさとか背の高さとかは太一には敵わないけど、かなり私好みの顔で、喧嘩が強くて、イケメンでぇー!』
「どーせ相手にされねぇってー。」
そんな麻衣が可笑しくて俺は思わずクスリと笑った。
『でも連絡先聞いちゃったし!無くはない!』
この時は危機感なんて全然持ってなくて、ただ麻衣が可愛いと思ってた。
だって俺の方が近くにいるし。
だけど、それからちょっとしたら2人は付き合い出した。
その時から俺はハッキリとグレた。
夜遊びも激しくなったし、気付いたら学校に普通の友達はいなくなった。
みんな俺のこと怖がるだけ。
それでも麻衣だけは俺のこと必死で止めて、本気で心配してくれた。
残酷だった。