ヤンキー先輩!
『中1の冬から付き合って今年であいつら5年目なんだよな。その間雄星が何回も浮気してその度にあいつが泣いて。俺はその度に腹がたつとかじゃなくてヨッシャ今度こそ別れろって思ってた。だから俺に近づく女がいるたびに雄星に紹介してたし。今思えばこんな俺があいつと付き合うなんて無理があるよな。』
真っ直ぐと校庭にいるサッカー部に視線を向けたまま穏やかな表情で淡々と話す青木太一。
「でも、今は美人先輩は青木太一の彼女なんでしょ?」
『一応な。また雄星が浮気して喧嘩して別れた隙に俺が頼み込んで無理矢理付き合わせた。』
美人先輩は今、葛藤してるのかもしれない。カルボが好きだけど、大事にしてくれる青木太一への罪悪感もある。
女ってなんでこういう時すぐに自分を大事にしてくれる方を選べないんだろう。
まぁとにかく美人先輩の気持ちは置いといて、
「とりあえず、カルボ糞男だな。」
『おいふざけんな俺の親友だぞ。』
・・・男の友情はアツイらしい。
こいつ、複雑すぎてどう接したらいいか分からないんですけど。
『でも、今日雄星と麻衣がいないって分かって無意識にあんたのとこに来てた。あんたも俺の中ではもう親友なのかもな。』