【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
ものすごい女の子の人だかりが出来てる
から。
多分この凄まじい誘惑に囲まれているの
は―――。
「わ、杉本君と佐藤君、逆ナンされてる
よ、すごい……」
やっぱり、あの二人だった。
女の子の中心で、優希君は困ったような
笑顔を浮かべていて、棗は仏頂面で、口
を固く引き結んでる。
しかし棗は私に気がつくと、無言で女の
子をかき分け、私の前に立った。
「……遅い」
「そりゃ悪かったわね……」
そう言うと、棗はジッと私を見つめてか
ら、私の腕を掴んで引っ張った。
その瞬間、後ろから聞こえてくる残念そ
うな女の子たちの声。
棗があの女の子たちには目もくれず、真
っ直ぐ私に向かってきてくれたのがちょ
っぴり嬉しかった、なんて。
本人には絶対に言わないけど。