【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
胸のドキドキが走ったからだって誤魔化
すように。
あり得ない。
あんなヤツにドキドキするなんて。
「あり得ない……」
「―――あれ、柏木?」
ぐったりと屋台のカウンターに伏せてい
ると、上から降ってきた声。
ハッとして顔を上げると、そこには見る
からに好青年って感じの男の子が居た。
黒い清潔な髪の毛と、優しげな目元。
もしかして―――。
「え、あ、東野〔とうの〕君!?」
「せーかい!」
そう言うと、彼はニッコリと笑ってピー
スした。
―――東野千尋〔ちひろ〕君。
中学の時の同級生で、あの頃はバスケ部
のエースで、皆の人気者だった。