【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★




怒りと僅な憂いを含む瞳は、真っ直ぐに
私を捉えて。



渇ききってない髪の毛から、時折落ちる
雫と



トレーナーから覗く鎖骨の色っぽさに、
ドキドキしてる。



おかしいんだ。


最近、棗を見てると胸が苦しいし、棗が
笑うとすごく幸せで。



こんな気持ち、初めて―――……



棗に思わず見とれていると、棗の低く掠
れた声が耳朶を撫でた。



「いいから質問に答えろよ。誰と行った
んだよ?あの東野って男か?あ゛?」



「なんで東野君が出てくるのよ……。美
怜だよ。美怜と行ったの!もう満足でし
ょ、離して」



そう言うと、あっさりと棗は解放してく
れて。



部屋にはいる間際、見えた棗の表情は。



―――複雑そうに、歪んでいた。







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