【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
【棗side】
―――春が自室へと戻るのを確認してか
ら、俺も部屋へと戻った。
机のうえに置き去りにされていたペット
ボトルを掴み、グイッと水を飲み干す。
雑念を振り払うように。
おかしいんだ、最近。
春を見るたびに悪戯心が刺激され、困っ
て怒る春を見るたびに、愛しいと。
そんな風に思うようになって。
海に行ったとき、水着姿の春に見とれた
。どこの誰よりも綺麗だと思った。
それと同時に、そんな春を誰にも見せた
くない。
"俺"という檻の中で一生閉じ込めてしま
いたい、なんて。
独占欲にも似た思いがじわりじわりと俺
を蝕んだ。