【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「そうだよね、東野くんカッコいいもん
!!彼女くらい居るよね!え、誰!?滑
川さん?三浦さん?」
一人で納得しながら、取り敢えずめぼし
い女子を上げていくと、みるみる東野く
んの表情が曇っていった。
いつもは決して笑顔を崩さない彼の、そ
んな顔は始めてみたから、思わず固まっ
てしまう。
「東野くん?」
「彼女なんて、いるわけないだろ」
低い、声。
それから、東野くんは顔を上げて、じっ
と私を見つめた。
―――あの夜の棗と、酷似している眼差
しで。
「好きな人は居るけど、生憎その人は、
俺のことなんてこれっぽっちも気にして
ない。下手したら、俺に彼女が出来て喜
びそうなくらいだよ」
「へ?」
誰のことなのか、やっぱりわからない。