【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
ドアの開く音を聞き付けて、玄関に駆け
出していったお母さんを、恨みがましく
見つめる。
もう、お母さんてば……。
「なぁ……春」
不意に隣から、真剣な声が聞こえてきて
、隣を見上げると、棗はじっと前を向い
ていた。
人と話すときは目を見なさいよ、って思
ったけど、棗の横顔があんまり綺麗で、
真剣で、何も言えなかった。
だから私も、前を向く。
「……何よ」
「……俺は、仲の良い"姉弟"になるつも
りは無いし。ならねーから」
「はぁ……?」
なにそれ、と怪訝な表情を浮かべれば、
棗は少しだけ口角を上げて笑った。
「すぐにわかる」
棗はそれだけいうと、自分の部屋へと戻
っていった。