【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
ふと後ろからそんな声が聞こえてきて振
り向くと、彼女は小さく笑ってた。
「……俺の名前、知ってるんだ?」
「知ってるよ~!有名だもん!」
それだったら俺だって彼女の事を知って
いる。理由は同じく、有名だから。
柏木春。
小さな顔に、大きな瞳とプルっと潤った
ピンクの唇。
さらさらと背中に流れる髪の毛は、いつ
も真っ直ぐに整えられている。
多分学年1のモテ女。柏木を好きだって
奴は幾度となく見てきたし、男にとって
柏木は高嶺の花でもあった。
純粋で、自分の意見を持ってて、男女分
け隔てなく優しい。
噂には聞いていたけど、確かにこれは、
逸材と言ってもいいくらいの女の子。
「柏木、危ないだろ……。あんな風に言
ったら」