【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
ちょっとため息をつきながらそう言うと
、柏木はきょとんとした。
「殴ってみなさいよ、なんていって、本
当に殴られたらどうすんだよ」
実際殴られる寸前だったし。
でも柏木は、別にいいの、と言った。
「殴られたらそれはそれで、あとで先生
に訴えられるでしょ?それに私、カッと
なると止められなくて!」
あはは、と笑う柏木が眩しかった。
俺とは全然違うと思った。―――いや、
どこの誰にも及ばない。
強くて、美しくて。きっと逆境の中でも
立ち向かっていくんだろう。
いつからか強く優しい彼女に追い付きた
いと思っていたけど。
その始まりはきっとここだったんだ。
その日から、俺は彼女ばかりを目で追っ
て、たまに目が合ったときに、ニコッて
笑ってくれる彼女が愛しかった。