【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
東野君の雰囲気がいつもとちがくて、ド
キドキして、戸惑ってしまう。
東野君は一瞬俯いてから、意を決したよ
うに顔を上げた。
「―――好きなんだ」
東野君のそんな声が聞こえてきたのと、
第一発目の花火が打ち上げられたのは、
ほとんど同時だった。
夜空に咲いた大輪の花。
わーっと盛り上がってる声。
―――今のは、花火がみせた幻想だろう
か。
「え、と……」
「中学生の時から、ずっと柏木が好きだ
った」
もう一度そう言われて、さっきのが幻想
でも幻聴でもなかったと知る。
これが現実だって悟った私は、急に恥ず
かしくなってしまった。
と、東野君が私を好き?……しかも、中
学生の時から?