【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「え、えっと……」
「待って!」
私の言葉は、東野君の手によって遮られ
た。
東野君は私に手のひらをパーにしながら
付きだし、真っ赤になった顔を、隠すよ
うに俯いている。
「まだ……そんなすぐに返事しないで。
俺を意識してなかったくらい、わかって
る」
ゆっくりと東野君の手が降ろされ、東野
君は私を見つめて、微笑んだ。
「もうちょっと……頑張らせてよ。俺、
柏木に好きになってもらえるように努力
するからさ」
「東野君……」
「はいっ!もーこの話はおしまいね!も
う花火始まっちゃったね、いこ!」
東野君はニコッと笑うと、そう言って、
私の前を歩き始めた。
河原に着くと、東野君は男の子達の輪に
入っていき、私は夢見心地のまま、美怜
の元へと戻った。