【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
KING KISS*03
»『こっち、向けよ』
ゆらゆらと、揺れる想いはどちらに傾く
のか自分でもわからずに。
泣いても笑っても、選べるのはたった一
人。
―――いや、選ばないという手段もある
のか……。
真剣な告白も、情熱的なキスも。全部、
私を惑わせる悩みの種。
私は一体……どうするんだろう―――。
「―――る……春ちゃん!」
「ほぇ!?」
美怜に呼ばれたことに気付かなくて、す
っとんきょうな声を出せば、美怜がジト
ーッと私を見ていた。
そんな美怜に取り敢えず苦笑いする。
「春ちゃん、ボーッとしすぎ!もう文化
祭から一週間も経ってるのに、まだ夢見
心地なの?」
「!」
カアッと顔が熱くなっていくのがわかっ
た。