【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
素早く顎をクイッと持ち上げられて、逃
げられなくなった。
「俺が告白してから、お前はすぐに目を
逸らす……なぁ、俺の告白、迷惑だった
のか?―――それとも」
棗は寂しそうにそう言うと、触れるだけ
のキスを私に落として。
一瞬だけ触れた温もりはすぐに過ぎ去っ
て、
目の前の彼は、少しだけ嬉しそうに笑っ
ていた。
―――ああ、気付いてしまった。
「俺のこと、意識してくれてる?」
気づきたくなかったのに。
認めたくなかったのに。
―――棗が、好きだって。
知ってしまったら。
想ってしまったら。
傷付くのは……目に見えているのに。