【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
»『お前と出会わなければよかった』
「―――柏木と杉本って、姉弟なんだろ
?……アイツを好きになっても、不毛な
だけだよ」
彼の言葉がグサッと突き刺さる。
心の中ではずっとわかっていたその事実
を、改めて他人から突きつけられると、
こんなにも辛いなんて。
秋風が吹き抜けるなか、東野君は、優し
く、強く、私を抱き締めてくれた――。
それは、遡ること、五分前。
時刻はお昼時を指していて、美怜と一緒
にお弁当を教室で広げていたら、東野君
がやって来て。
妙に真剣な面持ちで、私を見つめてきた
。
「柏木、話があるから来て」
そう言われて、うん、と頷く間もなく東
野君に腕を掴まれて。
そのまま、ズルズルと、人気のない中庭
まで連れてこられた。
中庭まで来た東野君は、きゅ、と引き結
んでいた口元を和らげ、私に告げた。