【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
気まずそうにそう言う東野君。
バレた……。
私が必死に秘密にしていた事が、こんな
呆気なくバレるなんて。
「あ、心配しないで。誰かに言うつもり
は無いから」
「ありがとう……」
やっぱり東野君は優しいね。私の気持ち
をよくわかってくれてる。
だけど、出来ることなら。
気付かないふりをしていて欲しかった。
ずっと、逃げていたから。
私はずっと、棗が"弟"である事実から、
逃げていたから―――。
でもその事実を他人に掲示されたら、も
う逃げ場なんて存在しなかった。
変わりようのない事が、突きつけられて
、現実に囚われて。
叶わない恋だって―――痛いくらい、わ
かってしまうから。
棗が、好き。