【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
そうでもしてないと、考えてしまう。
春の事を、想って、想って―――。
苦しくて、胸が締め付けられるのに、そ
れでも想ってしまうから。
もう、春と話さなくなってから、一ヶ月
が過ぎた。
俺からは話さない。
向こうからも話しかけてこない。
ずっと平行線のまま、俺らの関係は交わ
ることもなく時間ばかりが流れた。
春と東野の噂を聞くたび、噂してるやつ
を殴りたい衝動にかられる。
―――『東野君が溺愛してる』
―――『理想のカップル』
もともと美人な春と、好印象の爽やか青
年はぴったりの組み合わせで。
俺だけが、惨めだった。
結局俺に寄ってくるのは、男に媚を売る
薄汚れた女で。