【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
ドクン、と嫌な音を立てる心臓。
「だってあんた、柏木さんが好きなんで
しょ?」
―――やめろよ。
封印したくて仕方ないその思いを、簡単
に目の前に放り出さないで欲しい。
にげてきたんだよ。もうアイツを好きじ
ゃないって、自己暗示するために女の誘
惑に乗ってきたのに。
「私、嫌いなの。柏木さんを苛める奴は
、皆、嫌いなの。だからあんたを大嫌い
なのよ、私」
どこか冷めたように笑う冬間。
そんな冬間に、僅かな怒りを覚えた。
なんで春が傷付いた設定になってんだよ
。アイツは俺をフッたのに。
俺は、アイツに傷つけられたのに。
なんで俺が加害者のように言われなきゃ
ならないんだよ―――……。
「……気付いてないんでしょ。柏木さん
が、どんな思いであなたをフッたのか」