【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
冬間の顔にはもう笑みは無くて、憎々し
げに俺を睨んでいた。
「相手の気持ちも考えないで、自分は悲
劇のヒーローぶってるの?あの子の些細
な表情の変化に、どうして気づいてあげ
ないの」
「冬間―――……」
「お願いだから、抱けもしないくせに、
女をホテルに連れ込んだりしないで。あ
の子が傷つく行為はやめてよ……」
そんな冬間の、泣きそうな声だけが部屋
を満たしていき。
初めて俺は、自分の馬鹿さ加減に気がつ
いた。
やっぱり俺、春が好きだ。
何度拒絶されても、もう良いから。
せめて……せめて―――……。
俺に笑いかけて、くれますように。