【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
……まあ、お約束なんだけど。
「柏木、掴まって」
一足先に、観覧車に乗り込んだ東野君が
差しのべてくれた手のひらに、そっと掴
まる。
―――グイッ
「わっ!」
思いの外強く引っ張られて、そのまま、
すっぽりと東野君の胸のなかに飛び込ん
だ。
東野君は腕のなかの私を見下ろすと、い
たずらっ子のように笑って。
「あはっ。役得だね、俺」
そんな嬉しそうな彼の笑顔と。
想像してたよりも強い力と、逞しい胸板
に男の子だって、実感して。
なんだか恥ずかしくなってくる。
「柏木、座ろ」