【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
低い声に遮られてぐいっと腕を引っ張ら
れて棗の方を向かされる。
それから、私をのぞきこむようにして、
見つめてきた。
「なんで……泣いてた?」
……なによ。その、優しい声。
もう全部わかってるみたいな、優しい声
。
やだよ。
その優しい声も。
全てを見透かすような瞳とか。
泣いてすがってしまいたくなってしまう
から。
"離れて行かないで"って、口走ってしま
う……から。
「も…。本当になんでも無いんだってば
……誤解、されちゃうよ?」
「誤解?」