【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「いた……。怖いよ、棗……っ」
そう訴えてみても、一向に離してくれる
気配はなくて。
それどころか、逃がすまいとするように
、もっと強く腕を掴まれる。
「……さっきみたいな事、もう一度言っ
てみろよ。今度は口でお前の口、塞ぐか
らな?」
そう言った棗に、不謹慎だけどボッと顔
が熱くなる。
そんな私を見て、棗が苦しそうに顔を歪
めた。
「……んだよ…。何で、そんな顔すんだ
よ……お前、東野が好きなんだろ?なの
に、なんで……」
棗は掠れた声でそう言うと、拘束してい
た手を緩めて、ぎゅっと私に覆い被さっ
た。
棗の体温が直に感じられて、なんだか、
懐かしいような気持ちにもなる。