【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
そんなすがるように言わないでよ。ズル
いよ、そんなの……。
そんな風に言われたら……。
「妬いた……の…。棗に好きな女の子が
居るって知って、悲しかったんだよっ」
もう、止められなくなっちゃうから。
でも……それでも。
「……同情だよな……。こんなこと、言
わせてごめん」
棗は薄く笑うと、私の上から退いて。
「……期待しちゃうから……もう、言う
な。辛いから……」
―――こんなにも、届かない……。
届いて欲しくないくせに、こんなに届か
ないのがもどかしいなんて。
東野君……棗を好きじゃなくなるには、
もうちょっと時間がかかりそうだよ…。
だってこんなに苦しいから……。