【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
【棗side】
パタン……とドアを閉めて、その場にズ
ルズルと座り込む。
あ……っぶねー!!
俺はホッと安堵の息をつきながら、さっ
きの春の表情を思い出していた。
潤んだ瞳。
ほんのりと紅色の頬―――……。
どうみたって誘ってるようにしか見えな
い表情と、それから。
―――"妬いた……の…。棗に好きな女
の子が居るんだって知って、悲しかった
んだよっ"
そんな思わせ振りな、言葉。
俺が無理矢理言わせたんだってわかって
ても、すっげー嬉しくて。
それが彼女の"本音"だと勘違いしそうに
なって、そんな可愛いアイツを。