【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
それから、片方の肘を折るようにして床
につけ、空いてる方の指先で私の頬を、
スルッと撫でた。
そんな棗の瞳があまりに妖艶で、絡める
ように私を見つめていて。
まるで蜘蛛の巣に囚われた蝶のように、
身動ぎすら出来なくなった。
「なんでここにいんの?……俺に何され
ても良くなった?―――それとも」
棗はそう言うと、ニヤッと口角を吊り上
げて。
不敵な笑みを浮かべた。
「―――何かして、欲しいとか?」
瞬間、カアッと真っ赤になっていく私。
私は、相変わらず私の頬に触れている棗
の手を、パッと振り払った。
「そんなわけないでしょ!」
そう言い放ってから、バッと立ち上がり
、棗から遠ざかる。