【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
【棗side】
フ……と目が覚めると、柔らかい日差し
が目に飛び込んできて。
眩しさにくらんだ視界のピントが、ぼや
けた物からだんだんとはっきりしたもの
に変わっていく。
しっかりと焦点を合わせることが出来る
と、ここが俺のへやだということに気付
く。
あれ……俺―――……。
ふと首を傾げてから、手に温かな感触を
覚えてそっちを見てから、少し目を見開
いた。
「んん……むにゃむにゃ……」
「春……?」
俺の手を両手で握りながら、そこに頭を
凭〔もた〕れさせて、すやすやと眠って
いる春。
ていうか、むにゃむにゃって……。
本当に可愛いな、と思わず顔が緩んでし
まう。
ていうか色々思い出したぞ?確か朝、起
きようとしたらクラッて目眩がして。