【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「誰がって―――……」
「別に嫌いなんかじゃねえよ」
「え……?」
思わず顔を上げると、思いの外近くに杉
本の綺麗な顔があって。
私を見つめるその瞳から、逃れられなく
なってしまった。
「……嫌いなんかじゃねえよ」
杉本はまた、そう言って。
私の髪の毛をさらっと撫でると、ぐいっ
と顔を寄せてきて―――。
突然の事に、動けずにいると、本当に、
あと数センチで唇が触れそうになった。
思わず、ぎゅっと目を瞑る。
「春―――……」
「春ちゃーんっ!」
その瞬間、陽気な声と一緒に入ってきた
男の人に、私も杉本も、その態勢で固ま
った。