【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
怖くなった。
全てを溶かされて、全てを暴かれてしま
う、と思った。
忘れたい"想い"でさえも―――
「柏木……好きだよ」
そんな東野君の声を聞きながら、二度目
のキスを交わした。
重なる唇が熱かった。
―――私の唇が、冷たかったから。
体温が溶け合ってくれなかった。それが
すごく悲しかった。
だけど嫌じゃないんだ。……矛盾してる
。わかってる。
―――知らなかった。
この場面を一番見られたくない―――棗
に見られていただなんて。
知るよしも無かったんだ……。