【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★




その一方で東野君はきょとんと私を見上
げていて、もう私はどうしたらいいのか
わからず、バッと俯いた。



「……柏木―――」

「わかってる!彼氏とクリスマスデート
だっていってんのになんでプレゼントも
用意してないんだよってなるよね!」



何かいいかけた東野君の言葉を早口で、
遮っていく。



「ほんと不貞すぎてごめんなさいって感
じなんだけどね!」



「柏木、大丈夫だから」



呆れた顔をしてるのかな、とか。

嫌な彼女だな、とか。



そんな風に思われたらどうしよう、なん
て不安は、優しく落ちついた、そんな東
野君の言葉でかきけされた。



思わず顔を上げると、東野君はいとおし
さを滲ませるような微笑みを浮かべてい
た。




「その気持ちだけで、嬉しいから……」






< 321 / 445 >

この作品をシェア

pagetop