【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
その一方で東野君はきょとんと私を見上
げていて、もう私はどうしたらいいのか
わからず、バッと俯いた。
「……柏木―――」
「わかってる!彼氏とクリスマスデート
だっていってんのになんでプレゼントも
用意してないんだよってなるよね!」
何かいいかけた東野君の言葉を早口で、
遮っていく。
「ほんと不貞すぎてごめんなさいって感
じなんだけどね!」
「柏木、大丈夫だから」
呆れた顔をしてるのかな、とか。
嫌な彼女だな、とか。
そんな風に思われたらどうしよう、なん
て不安は、優しく落ちついた、そんな東
野君の言葉でかきけされた。
思わず顔を上げると、東野君はいとおし
さを滲ませるような微笑みを浮かべてい
た。
「その気持ちだけで、嬉しいから……」