【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
そんな私の考えを読み取ったように、東
野君が笑った。
「俺、別に柏木と離れたい訳じゃないか
ら。昔も今も、ずっと変わらず柏木が、
好き。大好きだよ……」
「東野君……」
「ずっとね、ここが苦しい」
東野君はそう言うと、服の上から、自分
の胸の辺りを押さえつけた。
クシャクシャになった布から、その力が
強い事を知る。
その思いの丈を知る。
「柏木に出会ってから―――そう、中学
生の時から、ずっと。ここがドキドキし
て、苦しいんだよ……柏木が好きで、好
きで、たまらない」
……なんて言ったらいいのかわからなか
った。
私を好きだって言うたび、嬉しいのに、
嬉しい筈なのに、胸が僅かな痛みを残す
。