【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
なのにどうしてか、彼の顔は一層悲しみ
で溢れていくんだ。
なんで―――……。
「もう…やめろよ」
不意に東野君の声が聞こえたかと思うと
、テーブル越しに軽く抱き締められてい
た。
「そんなに頑張らなくて……いいから。
わかってる…わかってるんだ、俺」
わかってるって何を?
私にもわからない私の事を、どうして東
野君はわかるの……。
「柏木。俺から柏木に別れを告げること
は……ないからな」
ねえ―――わかんないよ。
どうして東野君がそんな風にいうのか、
もう全然わかんない。
それが東野君の最後の意地だったとも、
知らずに―――……。