【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
―――いや、この雰囲気にこのシチュエ
ーションだ。そんな奴等いっぱい居る。
それでもそいつらに気を取られたのは。
その二人のキスシーンはほんの一瞬だっ
たのに映画のワンシーンのように美しく
て、それでいて―――
俺の大好きな女の子のキスシーンだった。
「……んでだよ…」
なんでこんなとこまできてんだよ…。
なんでわざわざ―――……。
今すぐ飛び出して、東野のうでのなかに
いる春をかっさらってしまいたかった。
悔しかった。
俺の想いが報われる期待と希望とが、ど
んどん霞んでいく。
どれだけ走っても、ゴールが見えてこな
かった。
イルミネーションが終わると、掃除に取
りかかった。