【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
誰も周りにいなくて、静かで……一人な
のが、惨めだった。
「クソッ……!」
―――ガシャンッ!
静寂な空気を引き裂いた、俺がモップを
蹴り飛ばした音。
しかし、次第にそれも、カラカラ……と
力ない音に変わって、空気に飲み込まれ
ていく。
俺はぐしゃぐしゃと頭を掻き乱して、そ
の場にしゃがみこんだ。
いろんだ苛立ちと虚しさが俺をブワッと
襲ってくる。迫ってくる。
「痛ぇよ……」
胸が。
さっきからずっとずきずきと鈍く疼いて
もう俺は一体どうすれば―――。
もう終わりにしたい。
もう諦めてしまいたい。