【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★




誰も周りにいなくて、静かで……一人な
のが、惨めだった。



「クソッ……!」



―――ガシャンッ!


静寂な空気を引き裂いた、俺がモップを
蹴り飛ばした音。



しかし、次第にそれも、カラカラ……と
力ない音に変わって、空気に飲み込まれ
ていく。



俺はぐしゃぐしゃと頭を掻き乱して、そ
の場にしゃがみこんだ。



いろんだ苛立ちと虚しさが俺をブワッと
襲ってくる。迫ってくる。



「痛ぇよ……」



胸が。

さっきからずっとずきずきと鈍く疼いて
もう俺は一体どうすれば―――。



もう終わりにしたい。

もう諦めてしまいたい。






< 333 / 445 >

この作品をシェア

pagetop