【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
でもそれが心地いいだとか、ドキドキに
いつも温かさを感じてるだなんて、本人
には絶対言わないけど……。
「春」
そんなことを考えていたら、不意に目の
前に影ができて、見上げると、袋を持っ
た棗が立っていた。
「ん。」
「ありがとう……」
ズイッと差し出された袋を受けとると、
棗が満足そうに微笑んでいて。
―――ドキッ……
そのあまりに優しい口元と、甘く煌めく
眼差しに思わず胸が、小さく揺れる。
棗はきっとそんな私の心境など気付いて
ないのか、どうでも良いのか、私の手を
再び掴んだ。
触れられた部分から、熱が浸透していく
。
徐々に熱くなっていく体温を、暖房が効
きすぎてるせいだと自分に言い聞かせた
。