【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
「もうすっかり暗くなったな」
不意にそう言われて窓の外を見ると、ず
っしりと重たい鉛色の雲が空を覆ってい
て。
ん?でも待って……。
「私達、そんなにここに居ないよね?」
さっきの服屋から、まだ二時間くらいし
か経ってないし、お昼だってまだなのに
。
そんな私に、棗もやっと異変に気付いた
ようだ。
棗は携帯を取り出すと、何かを確認して
いて、チッと舌打ちした。
「棗……?」
「春。帰るぞ」
棗はそう言うと、私の腕を掴んで走り出
した。
「ちょっ、棗……!」