【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
トン……と、棗が両手を私の顔の横につ
いたから、余計にドキドキしてしまう。
違う。
ドキドキするんじゃなくて、嫌がらなき
ゃいけないのに……っ!
「一緒にお風呂とか入るか?」
何で何も言えないんだろう……。
悪魔のような囁きと微笑みで、私を見下
ろす彼から目を離せずに居る。
"冗談はやめてよ"―――そう笑い飛ばそ
うとしてるのに、喉がつっかえて声が出
ない。
「……ぁ…っ」
何も言えず口をパクパクさせる私に、棗
は怪訝そうな顔をして。
それから困ったように眉を潜めた。
「拒絶しろよ」