【完】俺様キングと秘密の極甘kiss★
»『もう遠慮するのはやめた』
甘い匂いが立ち込めるキッチンで、私は
美怜と一緒にチョコレートを湯煎で溶か
していた。
「あ、春ちゃん、お湯が入んないように
気をつけてね!」
「う、うんっ!」
お湯が交じると、作り直しになるんだと
か。
私はあんまりお菓子作りをやった事が無
いから、もうさっきっから美怜に頼りっ
ぱなし。
私とは逆に、お菓子作りが趣味だという
美怜は、さっきから手際よく作業を進め
ている。
……ていうか。
「美怜は誰にチョコレートあげんのよ」
そうきくと、美怜はちょっと笑った。
「誰にもあげないよ。あ、春ちゃんには
あげるけどね。あとは自分用」
……寂しい奴。